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写真展「杳々たり」



鎌倉にて写真展を開催いたします。近年、私の意識の中芯にある”海”に関する新作《臨海》シリーズを初披露する機会となります。まだまだ残暑の厳しい頃とはなりますが、どうぞよろしくお願いいたします。


山根晋 写真展

「杳々たり」

2024年9月5日(木)~17日(火)

ギャラリー Quadrivium Ostium

〒248-0003 神奈川県鎌倉市浄明寺5-4-32

11時~17時(水曜定休日)


本展のタイトルである「杳々(ようよう)たり」とは、空海の記述に見つけた言葉です。意味としては、遥かなさま、遠いさま、暗くてよく分からないさまを言うようですが、私としてはその意味もさることながら、「ようよう」という言葉の音の単純な響きに独特の質感を覚えました。今回のQuadrivium Ostiumでの個展は、海の波打ち際のみを撮影した新作シリーズ《臨海》を初展示いたします。私が芸術に生きるきっかけとなった海、海辺という時/空は、いまだに私にとっての芸術可能性が生起する時/空で在り続けています。ある日の早朝、波打ち際に茫然と視線を向けていると、この領域に起こる現象全体に神聖な何かと同種のものを感得したのです。当初それは形や質量を伴ったものではなく、ただ純粋な光でしかなく。かつまったくの無音でした。しかし、その神聖な何かを写真機が捉えるアナザーリアリティのなかで捉えようと撮影を重ねていくと、徐々にそれが「杳々たり」として顕れてきたのです。本展開催の縁は、古美術を収集するオーナー黒田氏との出逢いにおいて、遠く遥かな、厚みのある"時間"について憧憬を交わしたところにあります。私はそのことを黒田氏の古美術コレクションの影を撮ることで直接的に表現をしました。それが、もう一つの新作シリーズ《Past Figure》になります。そしてこれもまた、私のなかでは「杳々たり」とした何かなのです。


山根晋は写真と映像を主たるメディアとするアーティストです。カメラ特有の機能に着目し、視覚から入る自身の直接体験を、カメラが留めた実景と重ね合わせ、「質感」にこだわりマチエールのバラエティを追求することにより、美的抽象度の高い作品を制作しています。制作における着眼点は、絶え間なく目の前を移りゆく事物の連続性の領域を越えた「おおいなるもの」の断片を撮ることです。美術写真の文脈においては「観念の再生」とは異なる、其処にしか存在しない唯一性が孕む無常の「あわい」そのものを追求するもので、具象にも抽象にもあてはまらない「何か」を観る者の内に迫ってきます。この展覧会は、山根氏の作家活動の集大成として企画されました。山根晋の藝術の魅力をふんだんに味わえるまたとない機会となることでしょう。是非、多くの方に鑑賞していただきたいと思います。なお、会期中に詩人の青木萌氏をゲストスピーカーとしてお招きしトークショー行います。また、トークショーの後はレセプション・パーティを開催します。

Event【山根晋✕青木萌】トークショー

・開催日時 9/7(土)14:00〜15:00

・会場 Quadrivium Ostium

・参加費 無料

・事前申込制・先着20名


【トークショーお申し込み先】

件名「トークショー参加希望」

本文「お名前」複数の場合は連名「当日のご連絡先」を記載のメールにてお申し込みください。折返し返信します。定員に達した時点で締切ます。予めご了承ください。


Quadrivium Ostium アクセス


◆最寄り駅:【鎌倉駅(JR横須賀線、江の島電鉄)】


◆バス:鶴岡八幡宮側の【東口】【4番のりば(鎌23 鎌倉霊園正門前太刀洗ゆき/鎌24 金沢八景ゆき/鎌36 ハイランド循環)】どのバスでもご乗車いただけます。平日だと、約10~15分間隔で発車しています。

【泉水橋】バス停で下車(乗車時間約10分:お彼岸、行楽時期は渋滞あり)。


◆バス停から徒歩約5分

バスの進行方向にある【魚屋】さん前の交差点信号を渡ってください。渡ったら【右】に【川沿いを】鎌倉駅方面に戻ります。すると、川向うに【日本キリスト教団 泉水教会】の看板が見えます。教会のところまで来たら、川にかかる【虹の橋】を渡り、目の前の階段を上ってください。階段を登りきったら、さらに右手の坂道を上ると、丘上に3軒家があり一番奥の建物です。(階段がキツイ方は左手の教会裏の坂道で住宅地を迂回するルートもあります。)

バス停からは、階段62段+急坂道を上ります。ご不安な方は、駅からタクシーのご利用をおすすめします。タクシーの運転手さんには住所と「浄明寺の泉水教会の虹の橋を渡って丘の一番上まで行ってください。」とお伝えください。


◆自家用車でお越しの場合

ギャラリーの駐車場は2台までご利用いただけます。事前に車の旨をお伝えください。

「虹の橋」を渡り、泉水教会裏手の坂道を上り、カーブを曲がったらすぐ右手の道に入ってください。突き当たりの右側に階段があるところに出たら、そのまま直進して更に坂道を上ってください。(坂道入口の段差にご注意ください)道幅の狭い急カーブの急坂道のため、車体の長い大型車は曲がり切れない可能性がございます。ご不安な場合は、坂下の教会の向かい側にあるコインパーキングのご利用をおすすめします。(タクシーや宅配便のバンは上がってこれられます。)


◆アプローチ手前、表札のインターフォンを押してください。

なにかと不便なところですが、山の緑と谷戸を見下ろす景観が見どころです。

お気を付けていらしてください。ご来店をお待ちしております。


店主 黒田幸代


道に迷ったらこちらまで。080-5430-6641

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